NEW RELEASE

SBダンクロー・ブック

双葉社スーパームック
SB DUNK LOW BOOK
SBダンクロー・ブック

2022年4月18日発売の『SB DUNK LOW BOOK』は、初期の構想から実際の書籍化に至るまで、かなりの時間を要した1冊だ。オリジナルが1985年に発売されたDUNKは、今ではAIR JORDAN 1と並ぶ人気モデルとなり、限定モデルがリセールマーケットで高騰するHYPE系スニーカーの代表格としても認知されている。そのオリジナルから最新の復刻版、スケーター向けにアップデートを施したSB DUNKまでを網羅するだけでも1冊の企画として成り立つものの、個人的には“それで良いのかな”との思いが拭いきれなかった。確かにスニーカーヘッズにはDUNKなら何でもウエルカムという層も少なくなく、現代的なスニーカーの楽しみ方としても定着している。誌面でその空気感を表現するのも間違いとは言えない。ただ、これまで数多くのバリエーションが展開されてきたDUNKの全てから掲載モデルをセレクトすると、誰もが知っている人気モデルだけで誌面が埋まってしまい、“こんなモデルがあったんだ”的なサプライズをプラスするのは難しくなる。そうしたサプライズの演出に並々ならぬ熱意を込めているのは、これまで双葉社から発売されたスニーカー系のムックを手にして頂いた読者であればご存知の通り。

  ページ数に制限がある紙の本で“掘り下げた感”を演出するには、掲載モデルのターゲットを絞り込むのは常套手段だ。本書では数あるDUNKの中からスケーター向けにアップデートされたSB DUNKにスポットを当て、さらに初期ラインナップでも展開されたローカットモデルだけをセレクトしている。ローカットだけでなくハイカットやミッドカッドを含めてSB DUNKだと言う意見があるのも承知しているし、ハイカットやミッドカッドに名作と讃えられるモデルが存在するもの理解している。それでもSB DUNKの王道であるローカットだけでセレクトしても、あっという間に約200モデルに達してしまう。この200モデルと言うのは、1足のバックストーリーを掘り下げる際には妥当な数だ。もっともSB DUNKのローカットだけで約200足を紹介する書籍と言うのは情報量は少なくないし、世界初の事例だと思うけれど。

  そうした編集サイドのコダワリを表現させて頂く代わりに、掲載モデルは非常に充実したものになったと自負している。今回も30名を超えるコレクターにご協力頂き、貴重なSB DUNK LOWを撮影させて頂くと共に、それぞれに解説を添えさせて頂いた。表紙カバーに『全ての掲載モデルが入手困難!ファン必携のコレクターズムック』と書かせて頂いたので、いわゆるHYPE系のDUNKだけを集めた本のような印象を受けるかもしれない。確かにワットザやパリダンク、チェリーダンクのようなHYPE系SB DUNKも取り上げているけれど、冒頭でも記した“こんなモデルがあったんだ”系のSB DUNKもHYPE系と同じように取り上げているのは双葉社スニーカームックのお約束だ。筆者としてもSB DUNK LOWは好きなカテゴリーなので、知る人ぞ知る的なSB DUNKでもそれなりにプロフィールは頭に入っているものの、その情報を誌面に反映する際の裏取りは本当に大変だ。

  例えば「このSB DUNKはデザイナーの〇〇が手掛けた1足だ」と表記する際には、それが事実かどうか裏取りするのも必須になる。そのデザイナーが今もNIKEと契約していれば話は早いが、中には限られた期間のみNIKE SBのプロジェクトに参加して、現在は他のメーカーに勤務するデザイナーも存在する。スニーカーが発売された当時の公式ニュースリリースにデザイナーのプロフィールが掲載されていれば良いのだが、そうでない場合はビジネス系SNSの“LinkedIn”でプロフィールを探し、そのSB DUNKがデザインされていたと予想される期間にNIKE SBと契約していたかどうかまで調べている。その地道な作業の目的はあくまで“裏取り”で、解説に直接反映されるものではない。それでも自信をもって文章を作る上では避けては通れない作業になる。

  『SB DUNK LOW BOOK』は約200足のスニーカーが掲載された図鑑として楽しむだけでなく、気になる1足が見つかった際には、そのデザインが誕生したバックストーリーまで知ることができる。SB DUNKを極めたスニーカーヘッズはもちろんの事、なんとなくSB DUNKが人気なのは分かるけど、その理由までは知らないというSB DUNKファン予備軍の方々にも手に取って欲しい1冊だ。

お詫びと訂正

2022年4月18日発売「SBダンクロー・ブック」にて掲載写真の誤りがありました。
該当ページ P138 小写真
 

88ページ掲載「YELLOW LOBSTER」の資料提供者様の記載に誤りがありました。
正しくは「abeshi2chome」様です。

ここに訂正するとともに、読者、関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。

B5判フルカラー:144ページ

2022年4月18日発売

2,090円 (本体1,900円)

SAMPLE

EDITOR’S PROFILE

HIROSHI SATO

原宿エリアのアパレルショップスタッフ経験を経て、神奈川県平塚市にてセレクトショップ“HAND CARRY”をオープン。約6年にわたりオーナー兼バイヤーとして活動すると共に、『Boon』や『Street Jack』などに資料提供を続け、1990年代後半のスニーカーブームの一端を担った。その後ライター業やPRプランナーなどとして活動する中でもスニーカーに対する情熱は失われず、2014年に創刊した『SNEAKER FANBOOK』のディレクターを担当。翌2015年からはディレクター兼ライターに就任し現代に至る。履けなくなったスニーカーは捨てる派のため、所有するスニーカーの数は決して多くは無いものの、AIR JORDAN 1を中心に3桁のコレクション数を常にキープ。スニーカー系ライターの中では、最も多くのスニーカーを自腹で購入したひとりと自負している。興味の対象となるスニーカーは、誰もが知る人気モデルに対する興味は当然として、さほど注目されていないスニーカーから、お気に入りの1足を探し出す行為に執念を燃やすのが特徴だ。

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