足元にスニーカーをセットする、ストリート系のコーディネートと相性の良いNEW ERA。つい先日までベースカラーをネイビーに染めるヤンキースのNEW ERAがストリートシーンの主役だったが、そうした当たり前の光景は2021年を境に大きく変わっている。

現代的なコーディネートの主役となっているのは、オリジナルのチームカラーとは異なる“カスタムキャップ”と呼ばれるNEW ERAだ。個性的で楽し気なカスタムキャップのベースには、サイズ調節ギミックの無い59FIFTYが一般的。この59FIFTYがベースのカスタムキャップが世界中で大流行し、人気モデルの入手困難化が加速している。2023年9月13日発売の『59FIFTY COLLECTION』は、カスタムキャップの人気モデルにフォーカスを当て、約600種類を新規に撮影して掲載したコレクターズムックであり、製作は『SNEAKER FAN BOOK』の編集チームが担当している。

『59FIFTY COLLECTION』を編集する上で目指したものは、NEW ERAの上級者や中級者には2023年の温度感を再認識するアーカイブとなり、初心者には本当のお気に入りに出会うためのガイドブックとなる1冊だ。

ここで言う“本当のお気に入りに出会う”の部分について補足すると、現代のキャップ専門店には様々なカスタムキャップが並んでいる。予備知識無く店頭に足を運んでも目移りするばかりで、納得のいく“お気に入り”を見つけるにはハードルの高さを感じるハズだ。そうなると誰かのアドバイス“だけ”を参考にしてみたり、見慣れたネイビーやブラックのヤンキースを手に取ってしまいがちになってしまう。

もちろんネイビーやブラックのヤンキースは今でも王道で、その魅力は失われてはいない。ただ“自分の意志で選んだヤンキース”と“選べなかったから手にしたヤンキース”では意味合いが全く異なるのだ。スニーカーと同じで“なんとなく選んだ”アイテムが、本当のお気に入りとなるのはレアケース。『59FIFTY COLLECTION』に掲載した約600種のカスタムキャップから予め“気になるデザイン”を見つけ、記憶すれば、例え全く同じモデルが手に入らなくても店頭やオンラインショップでの“お気に入り”選びのガイドラインとなるに違いない。

そもそも『59FIFTY COLLECTION』は、単なるNEW ERAのカタログ本ではない。今回は個人所有のコレクションと、セレクトショップの“お勧め”を撮影させて頂いた。個人所有のコレクション品は所有者が対価を支払い、購入したアイテムで、その全てがNEW ERA上級者が「対価を支払う価値がある」と認めた逸品なのである。セレクトショップの“お勧め”も、最新かつトレンド感のあるカスタムキャップばかりだ。

『59FIFTY COLLECTION』には“間違いのない約600種のカスタムキャップ”が収録されている。手前味噌になってしまうが、ライターがセレクトショップのデザインチームに参加したカスタムキャップも世界に先駆けて紹介している。既にコレクションを楽しんでいるNEW ERA好きはもちろんのこと、キャップ選びに迷っている未来のコレクターも間違いなく楽しめる、世界初となるコレクターズムックなのだ。