2019年のスニーカーシーンを占うS.F.Bは全国12都市（東京/福島/横浜/新潟/富山/石川/福井/名古屋/大阪/福岡/宮崎/沖縄）で撮影したストリートスナップに加え、巻頭特集にてadidas YEEZYシリーズの人気モデルを紹介している。裏話になるが、前号の『S.F.B 2017A/W』はシーズンの先取りを意識して10月に発売したのだが、そこに掲載するスタイルサンプルは9月に撮影したものもあり、足元こそ人気のスニーカーが着用されていたものの、半袖やショートパンツを取り入れたコーディネイトもあり、季節感に欠ける誌面となった。その反省を活かし『S.F.B 2019』では撮影会のスケジュールを大幅に見直している。その結果、多くのエリアで秋冬シーズンに相応しいスニーカーコーディネートが撮影できた。この撮影には、今回も多くのエリアで撮影会のコーディネイトやアシスタント、そして撮影まで様々な方にご協力頂いた。この場を借りて改めて感謝の意を伝えたい。

また、『S.F.B 2019』では巻頭特集も大幅にリニューアルしている。それまでの有名人インタビューや最新モデルを紹介する企画から、“1冊丸ごと”の本としては情報量が少ないが、歴代のモデルをアーカイブする価値のあるプロダクトにスポットライトを当てる企画へアップデートしている。今回のテーマは言わずと知れたadidasの人気モデル“YEEZY”だ。近年“YEEZY”は新たなデザインやニューカラーだけでなく、“350V2”を中心に、過去に発売された人気モデルの再販に力を入れ、比較的入手しやすい環境が整えられつつある。スニーカーに希少性を求める層からは“入手しやすくなったYEEZY”にネガティブな反応も出ているようだが、カニエ・ウェストはアディダスと契約する際に“YEEZY FOR EVERYONE”と宣言した。“YEEZYをすべての人のために”。カニエ・ウェストの公約が、いま実現しようとしている。

マーケットに流通する“YEEZY”が増えれば、正規店だけでなく、オークションやフリアアプリで手に入れる機会も増えてくる。そうした時、『S.F.B 2019』のYEEZY特集が好みの1足を見つける手助けとなれば幸いだ。