AIR JORDAN COLLECTION

双葉社スーパームック
AIR JORDAN COLLECTION
エアジョーダン・コレクション

30種類以上に及ぶAIR JORDANシリーズの中でも、特に重要なプロダクトとされるAJ1からAJ23までを紹介。人気スニーカーの歴史を知るためには最適の、スニーカー初心者にもお勧めしたい1冊。約160種類を掲載する本文ページでは、復刻モデルの人気も高いAJ1からAJ13までを多めに掲載している。AJ23発売を前に2足セットで発売された“カウントダウンパック”11種を全網羅する他、コレクターズアイテムとしても人気が高いベビージョーダンも掲載した、資料性の高い内容になっている。

B5判フルカラー:144ページ

2016年7月28日発売

本体1,900円 + 税

SAMPLE

COLUMN

世界のスニーカーカルチャーにとって特別な存在

1984年に発表され、翌1985年にマーケットに投入されて以降、常にストリートカルチャーを牽引し続けるAIR JORDANシリーズ。そのファーストモデルであるAJ1は現代のストリートシーンでも人気が高く、2008年のAJ23発売時には、世界各地で大々的なプロモーションが展開され、世界中のスニーカーファンを熱狂させた。シグネチャープレイヤーであるマイケル・ジョーダンのナンバリンクでもある“23”は、AIR JORDANシリーズにとっても重要なターニングポイントである。今も世界中で愛され続けるAIR JORDANシリーズの歴史を知る際には、AJ1やAJ5、AJ11といった人気モデルを“点”で知るのではなく、AJ1からAJ23までの黄金期におけるデザインやパフォーマンス(性能)の進化を、ストーリーとして体感するのが近道となる。

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“AIR JORDAN物語”を体感する本を作りたい

『AIR JORDAN COLLECTION』では、その黄金期に発売されたオリジナルプロダクトに加え、魅力的な復刻モデルにフィーチャーし、厳選した160足以上のバリエーションを一挙紹介した。1985年のAJ1と2008年のAJ23にデザイン的な共通項を見つけるのは難しいが、本書のページを順番にめくっていけば、その時代の最先端テクノロジーによって進化を続ける流れと、そのデザインの意味に気付くだろう。文字通り“AIR JORDAN物語”が体感できるハズだ。この企画を立ち上げたのは2016年の前半である。最新のスニーカー系ライフスタイルを提供する『SNEAKER FANBOOK(最新刊2017A/Wが好評発売中)』を編集する中で、AIR MAX 95やミシガンDUNK等のマスターピースを特集する企画を連載していたのだが、後日SNS上で反響を調査したところ、最新モデルのスニーカーと同様に、過去の名作に読者が注目している事が分かったのだ。

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何度でも繰り返し楽しめるコレクターズムック

そうした読者の反響から、日本のスニーカー文化を支えた名作を紹介する別冊ムックが創れないだろうかと考えたのである。それも漠然と過去の名作を掲載するのではなく、ひとつのテーマに特化することで図鑑のようなアーカイブ性を持たせたスニーカームックだ。『SNEAKER FANBOOK』が目指す“今読んで楽しい本”とは別の、何年か後、もしくは何度でも繰り返し楽しめる本を創ろう。その方向性が決まってから、テーマをAIR JORDANシリーズとするまでは時間は掛からなかった。何故ならAIR JORDANシリーズは、日本のスニーカー文化において最も重要なプロダクト群のひとつだからである。AIR MAX 95が社会現象と評される大スニーカーブームを生み出す以前から、AIR JORDANシリーズは激しい争奪戦が繰り広げられていた。AIR JORDANが登場する以前にも、名作と呼ばれるバッシュは存在していた。ただ、スポーツシューズであるバッシュにコレクター的な要素を創出したのは、AIR JORDANシリーズが先駆者である。スニーカーをテーマにしたコレクターズムックの第1弾に、これ程相応しいモデルはない。

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インタビューやストリートスナップは載せない

スニーカーに限らず、特定のジャンルに特化したコレクターズムックは、アイテムや歴史に精通した編集者やライターが参加する。少々大げさな表現になるが、そのジャンルに対する思い入れは、“恋愛”や“愛情”に等しいものだ。僕の愛した〇〇はこんなにも素晴らしいんだ。作り手側からすると、その熱量を伝えようとするあまり、様々な切り口でコンテンツを詰め込みたくなるのが本音である。ただ、様々な角度のコンテンツを詰め込みすぎると、結局何を言いたいのか良くわからない本になってしまいがち。それでは本末転倒だ。企画を進めるうえで最初に考えるべきは、『AIR JORDAN COLLECTION』は何の本であるかということ。そのコンセプトは“ユーザー目線の図鑑”とした。図鑑的な情報のアーカイブ性を重視し、有名人のインタビューやストリートスナップ(コーディネイト提案)等は掲載しないこととする。そしてリアルなユーザー目線を演出するため、特定のコレクターや有力ショップの所有品ではなく、複数のコレクターから様々なAIR JORDANをお借りして撮影した。特定のコレクターの自慢のアイテムを並べても面白いコンテンツになるものの、どうしても偏りが出てしまう。『AIR JORDAN COLLECTION』が目指す“AIR JORDAN物語”を表現するには、複数のコレクターによるニュートラルな視点が必要だと考えたのだ。

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AJ1からAJ23までをスニーカーとして紹介する

2016年7月28日発売に発売した『AIR JORDAN COLLECTION』に掲載したのは、160足をこえるAIR JORDANたちだ。余談になるが、表紙カバーに使われているオレンジは、AJ1“シャッタードバックボード”のオレンジを再現しようと、試行錯誤した結果である。実物を所有する人は、ぜひ再現度を確認していただきたい。そして本文ページでは、オリジナルのAJ1“シカゴ”やAJ11“コンコルド”のようなレジェンドモデルに加え、米国のアウトレットのみで発売された“BANNED”や日本限定発売の“T23”などのプレミアムモデル、NBAプレイヤーのクリス・ポール着用カラーを再現したAJ8を始めとする、知る人ぞ知るレアモデルがセレクトされている。バリエーション豊かなAIR JORDANシリーズの撮影にご協力いただいた方々には、改めて感謝の意を伝えたい。バスケットボールの専門誌であればともかく、スニーカーとしてAIR JORDANを取り上げる場合、(全カラーではないものの)AJ1からAJ23までを1冊に纏めたムックは決して多くはない。“AIR JORDAN物語”に詳しいスニーカーヘッズは記憶の再確認ができ、これまで特定のモデルのみを興味の対象としていたスニーカーファンは、新たな魅力に気付く本になって欲しい。そうした意図が少しでも伝わっていれば嬉しいのだ。

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