80年代バッシュコレクション

双葉社スーパームック
80年代バッシュコレクション

2022年9月27日発売の『80年代バッシュコレクション』は、そのタイトル通りオリジナルが1980年から1989年にかけて発売された(と記録に残る)バスケットボールシューズと、そのDNAを色濃く受け継いだ復刻モデルを紹介するコレクターズムックだ。90年代のヴィンテージスニーカーブームを経験した世代にとっては懐かしく、特に“80年代デザイン”とは意識せず、オールドスクール系バッシュをコーディネイトに取り入れているスニーカーファンに向けて編集したコレクターズムックだ。

ヴィンテージをテーマに掲げる書籍であれば「掲載モデルはオリジナルに限るべき」との編集方針もあるのだろうが、40年以上も前に生産されたシューズなだけに撮影可能なモデルは限られてくる。特に今回はNIKEだけでなく、adidasやNew Balanceなどの80年代バッシュも掲載する方針を早くから固めていた。熱心なコレクターも多いNIKEであればともかく、スマッシュヒット作となったNew Balance BB550のオリジナルである“PRIDE550”撮影するのは難しい。とは言えBB550を紹介しないのも、現代のスニーカーシーンを踏まえると違和感がある。その違和感を払拭する意味でも、オリジナルと復刻モデルをバランス良くピックアップしたつもりだ。

もっともスニーカーブティックの店頭に復刻バッシュが並ぶのが当たり前となった現在でも、未だに復刻されていないモデルも少なくない。NIKEだと“TEAM CONVENTION”や“DOUBLE TEAM”あたりは未復刻モデルの代表作で、今回掲載したのはオリジナルのみと言う事になる。それに対してミシガンカラーの“DUNK”は複数年代の復刻モデルを並べ、ディテールの違いを比較できるように構成した。

もちろん、お約束の“スニーカーにまつわるウンチク”も力を入れている。例えばノンエア仕様のカレッジプログラムアイテムである“DUNK”をリリースした1985年に、何故ノンエア仕様のカレッジモデルである“TEAM CONVENTION”、そのバリエーションである“CONVENTION”をNIKEが発売する必要があったのか。そうしたテーマに対しては、オリジナルが発売された時代からのバスケットボールマンにヒアリングして考察を行っている。『80年代バッシュコレクション』を全国のスニーカーファンからお借りした“お宝スニーカー”の写真集として楽しむのも良いけれど、そこに付け加えた文字情報にも目を通して頂けると“DUNKが復刻されるのにTEAM CONVENTIONが復刻されない理由”も、アンオフィシャルではあるものの、可能性としてのバックストーリーが見えてくるハズだ。

80年代のバッシュを良く知るコア層であれば、『80年代バッシュコレクション』は手持ちのコレクションと復刻モデルを比較する資料になるだろう。今回はNIKEだけでなく“PRO-KEDS SHOTMAKER”や“New Balance PRIDE 800”のような、書籍で取り上げられる機会が少なかった知る人ぞ知る名作も1ページ大で紹介しているので、その辺りも喜んで頂けると困難を極めた編集作業の苦労も報われる。またヴィンテージには興味はないけれど、80年代デザインのスニーカーは気になる世代にとっては、NIKEだけでなく、それ以外のブランドにも“今だからこそ楽しい”スニーカーが溢れている事に気付くきっかけとなるに違いない。

B5判フルカラー:144ページ

2022年9月27日発売

2,090円 (本体1,900円)

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