さて、試し読みの最後を飾るこの作品、これまでのように冒頭部分の抜粋ではなくちょっと違った趣向でお届けいたします。
タイトルからもおわかりのように、「ぶんぶく茶釜」の昔ばなしが出てきます。
茶釜に化けた狸が見世物をして皆を楽しませ……というお話ですが、これがこの物語では「別の意味」を持って描かれます。それはどういうことかと言うと……と、お伝えしたいのですが、それはぜひ、読んでからのお楽しみということで!
なにせいろいろな仕掛けが至るところに施され、とてもここで詳しく書くことができないのです。
ずいぶんともったいぶるではないですか、とお叱りを受けそうですが、ほんとのことなのでご容赦を……。
ひとつだけ言えるのは、昔ばなしがミステリと幸せな出会いをした、ということです。
前作『むかしむかしあるところに、死体がありました。』から引き続き、新鮮な驚きを今回もまた、お届けいたします。