社員インタビュー

ライツ事業部

石割太郎

経歴
2017年3月、双葉社に中途入社。
ライツ事業局ライツ事業部に所属。クレヨンしんちゃんをはじめ、双葉社作品の商品化やイベント企画の監修実務を担当。現在はクレヨンしんちゃんMDチーム チームリーダー。

――ライツ事業局の仕事について教えてください

 出版社の仕事、というと「本を作る」というのがみなさんまずは思いつく仕事かと思います。
 それに対してライツ事業局は、その「作る」で刊行された原作から派生した、本やグッズ・ゲーム・映像・舞台などでの利用を促進することによって「より作品を広めて、新しいファンを獲得していく」ことが主たる業務です。部署名の「ライツ」は日本語訳すると「権利」となるように、法務的な業務ではなく「著作権を管理する」という意味で捉えていただくとより分かりやすいと思います。
 具体的には、双葉社で刊行された書籍やコミックなどを中心とした作品を基に、「二次利用」を促進する部署です。「二次利用」の拡大によって、作品の認知を上げ書籍の販売数を上げるほか、グッズ商品そのものが売れることにより、自社の売上げはもちろん、著者や権利者の皆様への著作物利用料をより多くお渡しできるようになります。
 これが我々ライツ事業局の仕事、です。

――ライツ事業部と、クレヨンしんちゃんのMDチームリーダーとしてのご自身の仕事について教えてください

 ライツ事業局は映像化、商品化、翻訳など「二次利用」を包括して管理する部署ですが、ライツ事業部はその中でも特に商品化(グッズ・販売促進利用)の業務を主に担当しています。
 双葉社の作品として、またライツ事業部で携わる作品として一つ大きな存在なのは、多くの方が知っている『クレヨンしんちゃん』(原作:臼井儀人)です。1990年に連載がスタートし2025年には35周年を迎える作品ですが、漫画の人気を受けてアニメ・劇場版映画へも展開し、全世界で愛される作品になっています。
 ライツ事業部では「クレヨンしんちゃんMDチーム」として商品化(MD=マーチャンダイジング)業務を行う部署内チームを組み、監修や契約などを複数人で担当しています。
 主たる業務である“監修”について例を挙げると、かすかべに住む「しんちゃん」や登場人物たちをグッズや企画で使用する場合「デザインは作品の雰囲気に合っているか?」「大人と子供のキャラクターが並んだ時にサイズ感が合っているか?」など ビジュアルの面や、「5歳児のしんちゃんに適した内容か」のようにコンセプトから確認し、許諾できる/できないを判断します。

 作品の権利を管理する、我々のような立場を“ライセンスを持つ=ライセンサー”といいますが、それに対して、作品を商品化するグッズメーカー、販売促進のためにキャラクターを使用する企業は、“ライセンスを受ける=ライセンシー”といいます。
 しんちゃん以外の双葉社作品も、業務の流れはそれほど大きく変わりません。作品の持つ要素や魅力を損なわず、またファンの方々が「欲しい!」と思うような商品や企画を実施できているか、を常に意識しながらライセンシー各社様とコミュニケーションを取りつつ、作品にとってプラスになる企画をいっしょに作っています。

――仕事をする上で大変なことと、必要とされる能力はなんですか?

 著者・原作者の皆様に「双葉社で刊行してよかった」と安心していただけるように、お預かりしている大切な作品を守り育てることが我々の使命、です。それは単にお金を稼ぐ目的だけでなく、作品にとってより良い展開となるようにきちんと見極めて実施していくことが必要です。そのために、担当する作品への愛をもって仕事に臨むことができるか、は一番必要な要素です。ファンであるだけにとどまらず、ファンを増やすためにどうしたらいいか? を考えて、行動できたら最強ですね。
 また出版物に限らず、トレンドやWEBほか多種多様なコンテンツ、他社作品に対しての研究なども楽しみながらできる能力を身に着けられたらいいですね。(私も欲しい……)

――やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?

 月並みですが、例えば電車に乗ったときに、担当作品のアパレル商品を着ていたり、マスコットをバッグに付けているような方をお見かけしたときには「お!」と思いますね。他にも、テレビや紙媒体・広告看板など宣伝広告物の展開、SNSの反応も気になりますし、関わる作品が「いま話題になっている」となったならとても嬉しいです。
 これらは、自分の目で確認できることはもちろんですし、取り組んでいただいたライセンシー各社の担当さんといっしょに掴んだ成果でもあるので、二重の喜びと言ってもいいくらいです。

――どんな学生時代を過ごしましたか?

 周囲に漫画・アニメ・ゲームが好きな友人が多くて、オススメされる作品に影響を受けていた学生時代でした。就職活動はあまり特定の職種に絞っていたわけでもないのですが、ある企業の説明会で「コンテンツプロバイダ」という存在に興味をもち、業界研究をすることにしました。
 この時「コンテンツ業界とは何ぞや」を知るためにアニメショップ店でのアルバイトを始めたのですが、結果的に書籍やキャラクターグッズの流通についての知識や、映像ソフトの仕組みなどを学ぶことができました。アルバイトは就職が決まったあとも卒業まで続け、その後のキャリアでもこの期間の経験値が大きな武器になったと思っています。
 余談ですが、新卒で入社した企業ではこのアルバイト経験が功を奏したか新卒からキャラクター版権の業務に10年ほど従事しました。その後異動で出版に関わったり、イベントの企画制作に携わったりと、他の要素も経験したのですが、ちょうどその時期に双葉社と縁があり転職、再び版権管理の世界に戻ってきた、という経歴で今に至っています。

――双葉社はどんな会社ですか?

 ひと言で表すとしたら「お互いの顔が見えるいい組織」でしょうか。会社の規模が大きくなるとそれだけ人も増え、社内か社外かも分からない人がいる状態になりがちです。ライツ事業部のオフィスは、いま本社から少し離れた別のビルに位置しており、本社の編集部や営業チームとは顔をあわせないことも多いのですが「ある作品の件で相談しよう」となったときに編集担当が誰か、営業部は誰か、と話がつながりやすいことを感じます。
 双葉社はいまも成長中の会社だと中にいても思いますし、みんなで一丸になって取り組む、という土壌もあるので人と人の繋がりがこの強さを産んでいるのでは、と思っています。
 その雰囲気作りに自分も参加していきたいですね。

――未来の新入社員に一言お願いします

 漫画でもアニメでも小説でも、あなたにとって「我を忘れて熱く語ってしまうような大好きな作品」はありますか?
 それが双葉社の作品であれば「もっと多くの人に魅力を伝えられるように、そしてより長く愛してもらえるように何をしたらよいか」いっしょに考えましょう。もし双葉社の作品でなくても、その作品は「どのように自分の心を掴んだのか」を分析し、今度は私たちが「双葉社作品のファンになってもらうために何をすべきか」を考え実現しましょう。
 あなたの「好き!楽しい!」という経験を活かして作品の世界を広げ、日本国内そして世界中のファンへと届ける仕事……ライツ事業部でのあなたの活躍に期待しています。

社員インタビュー

営業局

書店、取次への営業、製作、在庫管理、宣伝などがメイン。編集部とも連携しつつ「売る」仕事です。

ライツ事業局

映像化、グッズ開発、海外事業など作品をより広めるため、ライセンスに関わる仕事をしています。

コンテンツ事業局

電子版のコミックス・書籍・雑誌の編集、製作、販売、プロモーションを幅広く行っています。