社員インタビュー

第三コミック出版部編集長代理
 漫画アクション編集長

平澤 彩

経歴
2006年入社。営業部に配属。主に書店営業を担当する。
2007年、JILLE編集部に異動。女性ファッション誌を編集する。副編集長に任命される。
2014年、JILLE休刊に伴い、FIGUE編集部に異動。JILLEのお姉さん雑誌やネイルムック・単行本を編集する。
2015年、FIGUE休刊に伴い、エッジ編集部に異動。ムックやタレント本などを編集する。
2015年、アクション編集部に異動。漫画を編集する。
2016年、アクション編集部から漫画アクションが分離し、漫画アクション編集部に異動。
2019年、漫画アクション編集部副編集長に就任。
2023年、第三コミック出版部 編集長代理 兼 漫画アクション編集長に就任。

――平澤さんは第三コミック編集部の編集長代理で、漫画アクションという雑誌の編集長でもあります。第三コミック編集部の全体の仕事と、漫画アクションの編集長としての仕事について教えてください

 現在第三コミック出版部では、青年漫画をメインとしたオールジャンルの漫画を、webアクションと漫画アクションという二つの媒体に掲載しております。webアクションは、女性向けも含めてオールジャンルの漫画を取り扱っており、漫画アクションは隔週の青年漫画誌として、より青年漫画に特化した媒体となっております。それぞれの部員が、担当の連載漫画を編集しつつ、新しい企画の立ち上げを頑張ってくれています。また、他部署で刊行された書籍のコミカライズをするなど、社内と連携した仕事も多数あります。
 私自身は編集長として、雑誌つくりという意味では、表紙に出ていただく方の選定から写真のセレクト、また一号一号どの作品がどの順序で載るか決めたり、今後の編成を考えたりしています。またマネージメントとしては、部署全体を見ながら、全員の仕事量を調整したり、部員から出てくる企画の相談に乗ったりネームチェックをしたり、作品相談も日々行っています。

――ご自身が主体でかかわった作品について教えてください

 漫画アクションの編集部にいる間に、子供を二人出産しましたので、二回産休と育休でお休みをいただいていました。二度目の育休から復帰してからはその前から担当していた松田舞さんの担当に戻り、「放課後帰宅びより」と、ツルリンゴスターさんの「彼女はNOの翼を持っている」を担当しつつ、編集長業務をこなしています。
 また私が立ち上げた「あなたがしてくれなくても」は、お陰様で先日最終回を迎え、電子と紙の累計で1000万部という素晴らしい部数を打ち立てています。二度目の産休に入るタイミングで、後輩に引き継いでおりましたが、その間にドラマにもなり、大変大きな反響をいただくことができました。

――仕事をする上で大変なことと、必要とされる能力は?

 大変なことは、人によって違うと思いますが、正直たくさんあると思います(笑)。編集になりたての時は上司にも怒られまくりましたし…(笑)。
 私はコミュニケーション能力にあまり自信がないので、新しい作家さんと初めてお会いするのは毎回緊張します。さらにコロナ禍にはお会いしたことのないまま、お電話でご挨拶させていただいたこともあるのですが、電話だと余計うまく話せなくて落ち込んだり…(笑)。何年編集やってるんだよ!!と自分でも思いましたが、苦手なものは苦手です。また、編集は自分で漫画が描けるわけではないので、そこも難しいところです。特に漫画の描き方には正解があるわけではないので、どうしたらより良くなるのか、というのを模索するのはとても面白い反面、本当に難しいなぁと思います。
 必要とされる能力ですが、これも人によって様々だと思います。コミュニケーション能力が高いに越したことはないと思いますが、人によって得意なことも違いますので、その得意なことが生かせる働き方をするのが良いのではないでしょうか。作家さんに寄り添う力に優れている人、人の長所を見つけるのが上手い人、何がおもしろいのか分析する力がある人、フットワークが軽い人、自分の考えを言語化するのが上手い人、などなど、漫画編集の仕事に生かせる力はたくさんあると思います。

――新企画を立ち上げる際、意識していることはありますか?

 身も蓋もないと思われるかもしれませんが、出版というのは、読者に買って読んでもらわないと商売にならないので、「どんな企画なら売れるか」「世の中にどんな漫画が求められているのか」を常に考えています。売れなくても、出す意義のある作品というのはあるかもしれないとも思いますが、売れないと作家さんも生活ができませんし、出版社も赤字になりますし、取次・書店さんも売り上げがたたないし。とにかく売れることがみんな幸せになることだからです。
 その際考えているのは、作品の内容を簡単に説明した時に「読んでみたい!」と思える人がどのくらいいるのか?ということです。「読んで面白い」は当たり前で、これだけコンテンツが溢れている世の中なので、読む前から「面白そう!」と思わせないといけないからです。そのため、世間ですでに人気のある漫画のジャンル・関係性・テーマを参考に考えることもありますし、まだ漫画として流行ってはいないけれど、“こんなテーマ・価値観が求められているんじゃないか?”と、漫画以外の流行から、時代の先を読めるように想像して企画することもあります。
 あとは、社会にどんな影響を与えたいか、この企画が世に出ることでどんな影響があるのか、ということについてもよく考えています。個人的には、どんな作品でも、読んだ人に前向きな力を与えられるような作品になってほしいと思って作っています。なので、最初の話と矛盾して感じるかもしれませんが、「売れるなら何でもいい」というわけではなく、世の中にポジティブな影響を与えられるような漫画が作れたらいいなと思っています。

――双葉社は女性も働きやすい会社ですか?

 はい、そう思います。特に私は産休と育休を二回取得したのですが、有休消化などを含めて想像以上にお休みが長く取れてびっくりしました。また妊娠休暇など通院に使える休暇もあって、めちゃくちゃ手厚いな、と思いました。現在もたまにテレワークなどしていますが、会社のサポートもあり、子育てとの両立にものすごく助けられています。社内にも産休育休を経て活躍している女性社員がたくさんいますし、仕事においても性別問わず任せてもらえる環境にありますので、女性でも安心して働けると思います!
 あ、ただ、これは私も入社時の面接で聞かれたのですが、週刊誌やエッチな漫画の取り扱いもしているため、社内にそういった写真やイラストの出力などが置いてあることもあり、目に入るだけでも嫌、という人はダメかもしれません(笑)

――学生時代の経験で、社会人生活において役立ったことはありますか?

 うーーん、学生時代は正直遊び呆けていてたいしたことをしていなかったのですが…。しいて言うなら、
1.映画やドラマを見て自分の感想をもっていたこと
2.自己分析をして感情の言語化をよくしていたこと
の二つでしょうか…。
 1に関しては、映画やドラマが好きだったので、よく見ていたのと、その感想をブログみたいなものに書いたりしていました。本当に適当な文章だったのですが、自分が「どういうところに面白いと思ったのか」を自然と分析できていたのかなぁと思います。また、その作品の素晴らしさを他者にどう伝えるのか、という言葉選びの練習になったのではないでしょうか。
 2に関しては、私は中高生の時、人間関係が上手くいかな過ぎて精神的にボロボロだったのですが。その分、哲学的なことを考えたり、自分の感情の動きを意識して言語化することが多かった気がします。なので、「人間ってこういう時にこういう感情になるよね」というのが引き出しにたまっていて、漫画の中でキャラクターの心を動かしたいときに役立っている気がします。

――未来の新入社員に一言お願いします

 編集という仕事は奥が深くて楽しいです。自分が「これだ!」とピンときたものが、実際に多くのファンがついたり、多くの人に楽しんでもらえたりするって、本当に夢のようです。私自身、辛い時に本に助けられたり、漫画に救われたりした経験があるので、自分が関わったものが誰かの救いになっていると思うと、感動で胸がいっぱいになります。それだけでも「この仕事しててよかったなぁ」と思います。
 あ、あと、私はもともとめちゃくちゃミーハーなので、好きな人に会いに行けるって、いいですよ(笑)。双葉社は本当に自由な会社なので、どんなことでも「やりたい!」と思ったら挑戦させてくれる器があると思います。ぜひ皆さんも「好き」を原動力に、大きな仕事を成し遂げてください!

社員インタビュー

営業局

書店、取次への営業、製作、在庫管理、宣伝などがメイン。編集部とも連携しつつ「売る」仕事です。

ライツ事業局

映像化、グッズ開発、海外事業など作品をより広めるため、ライセンスに関わる仕事をしています。

コンテンツ事業局

電子版のコミックス・書籍・雑誌の編集、製作、販売、プロモーションを幅広く行っています。