
エンターテインメント 編集部
(2021年入社)
経歴
2021年入社、2025年にエンターテインメント編集部に異動し、エンタメ誌『EX大衆』と10代向け文芸レーベル『双葉文庫 パステルNOVEL』、その他書籍の編集を担当している。主な担当作に、『変な絵』『変な地図』(ともに雨穴著)、『VISION 夢を叶える逆算思考』(三笘薫著)、『YUMEKI 1st フォトブック』などがある。
――ご自身の仕事について教えてください
月刊誌『EX大衆』の編集業務と並行して、10代向け文芸レーベル『双葉文庫 パステルNOVEL』を中心に、書籍や写真集の企画・編集を担当しています。企画の立ち上げから、著者やスタッフとの打ち合わせ、原稿整理、デザインのディレクション、発売イベントの企画、SNS施策まで、「作品を生み出すところ」から「読者に届けるところ」まで、一貫して関われる仕事です。
編集というと「原稿を直す仕事」というイメージを持たれがちですが、実際はそれだけではありません。たとえば、2023年に担当した、サッカー日本代表・三笘薫選手の『VISION 夢を叶える逆算思考』では、会場を借りてメディア向けの会見と、ファンの方々とのトークイベント&サイン本お渡し会を開催しました。当日の台本作成やスタッフの役割分担、一般のお客様やメディア向けの案内文まで、私も中心となって、イベント会社や社内の他部署と連携しながら進行しました。本をつくるだけでなく、「どうすれば多くの人に届くか」を企画段階から考えるのも、編集者の大切な役割だと思っています。
私は小説を担当することが多いですが、エンターテインメント編集部ではジャンルを問わない書籍づくりが可能です。実際に今は児童書やビジネス書の企画も進めていますし、タレントのエッセイ、写真集、アスリートの自伝など、「面白い」「やりたい」と思ったことには、どんどん挑戦できる環境があります。
――ご自身が担当した作品について教えてください
まず、私が人生で初めて担当した書籍、小説『変な絵』について。「やってみないか」と、上司から話があったのが入社2年目の5月でした。デビュー作『変な家』が大ヒット中の雨穴先生の新作を、書籍づくりをしたことのない新米が担当してもいいものか……。葛藤もありましたが、挑戦してみたいと思い、引き受けることになりました。
雨穴先生との打ち合わせは常に緊張してばかり。拝読した原稿に対する、自分の感想やアイデアになかなか自信が持てず、自身の不甲斐なさを痛感したことを覚えています。ただ、それ以上に「物語をつくること」が楽しいと思えたんです。
発売からはや3年。おかげさまで、『変な絵』はコミカライズもされ、なんと37の国と地域で翻訳が決まり、累計発行部数は200万部を突破しました! 世界的に評価される作品の担当になれたことは、大変光栄に思っています。
その他、サッカー日本代表・三笘薫選手のご著書を担当できたことも、思い出深いです。写真撮影のためにイギリス・ブライトンに赴き、三笘選手の試合を現地観戦。世界最高峰のプレミアリーグをメディア席から観ることができるなんて、そうそうないことでしょう。
さらに、その試合は三笘選手が日本人シーズン最多得点記録を更新した試合。目の前でゴールが決まった瞬間は、隣に座っていたイギリス人記者と握手して喜びを分かち合いました(笑)。往路の乗り継ぎで、飛行機のチケットを紛失したのは苦い思い出です……。
――2025年10月末には『変な地図』の大ヒットがありましたが、大規模な作品を担当する苦労と、それを上回る喜びについて教えてください
『変な地図』の制作では、各所との調整に苦労しました。編集者は本を編集するだけでなく、著者、デザイナー、イラストレーター、校正者、営業部、宣伝部など、すべての「橋渡し役」も担います。加えて今回は、紙やインクなど資材を担当する製作部とのやり取りが特に多かったです。
『変な絵』が大ヒットしたことで、『変な地図』は初版20万部という異例の部数が想定されていました。そこで問題になったのは、「紙の確保」。20万部ともなると、紙の在庫がそもそもないことも珍しくありません。できるだけ早く資材を確保する必要がある一方、紙の種類やインクの選定はデザイナーの領分。デザインが決まらなければ資材も決まらないという状況の中、スケジュールを見ながら各所を調整するのは、まさに綱渡りのようでした。
そんな苦労もありましたが、やはり売れてくれれば万々歳です。大規模な作品ほど、社内外の多くの人が関わります。X上で大きな話題になった「#変な地図展覧会」は営業部の提案ですし、テレビや雑誌などの出演依頼や駅のサイネージなどの広告は宣伝部が積極的に動いてくれた結果です。そのおかげで、発売1か月で70万部という素晴らしい数字になったと思います。表に出ない多くの方の力が合わさって、ヒット作は生まれているんです。
――企画を考えるにあたり、意識していることはありますか?
前述した通り、「どうすれば多くの人に届くか」を、企画段階から考えることです。影響力のある人物の本を手がけること自体も一つの方法ではありますが、それだけに頼るのではなく、売り上げを最大化するための「広げる施策」まで含めて企画を考える必要があると感じています。
たとえば、雨穴先生の『変な絵』では、小説の第1章を動画化した他、物語の後日談として音楽動画を公開しました。続く『変な地図』では、動画化に加えて、物語世界を整理するための折り込み地図や、制作裏話を語るトーク動画など、購入者特典を充実させることで話題性をつくりました。
私の担当作ではありませんが、「小説×音楽」企画であるYOASOBIさんの書籍や、「スマホ型小説」として話題になった知念実希人先生の『スワイプ厳禁』、ショートドラマとコラボした短編小説『トラウマも君を好きだった輝き』(メンヘラ大学生著)など、双葉社では各担当が、多くの人に手に取ってもらうための施策や仕掛けを日々模索しています。
私自身も、YouTubeやTikTokをはじめとしたSNSを効果的に活用するとともに、写真展などのリアルイベントも検討しながら、どうすればより多くの人に知ってもらい、手に取ってもらえるかを考えつつ、企画づくりに取り組んでいます。
――仕事をする上で大変なことと、必要とされる能力はなんですか?
大変なこと……しいて言うなら、限られた予算内でいかにやりくりするか、でしょうか。書籍づくりの場合、社内で企画を通す際に見積書を提出します。その際に示された予算の中で、書籍を制作していく必要がありますが、あれもこれも手を出そうとすると、どうしても予算内に収まりません。いつも電卓を叩きながら、頭を悩ませています。
必要とされる能力はいろいろあると思いますが、どの仕事にも通じるものとして「報・連・相」を挙げたいと思います。特に大きな企画ほど、関係各所に情報を随時共有することが重要です。結果として、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。
――どんな学生時代を過ごしましたか?
沖縄から上京してきた私にとって、何もかもが新鮮で楽しい大学生活でした。友人と朝まで飲み明かしたのはもちろんのこと、所属していた出版サークルの企画でレンタル彼女を利用してみたり、新潟県の山間地域にボランティアに行ったり……。森見登美彦作品への憧れから京都に住んでみたかったので、半年間、京都生活を送ったりもしました。下鴨神社に何度通ったことか……。兵庫県・西宮神社で行われる年始の“福男選び”に参加したのも、いい思い出です。
――双葉社はどんな会社ですか?
社員仲のいい会社だと思います。その証拠に、部活動が盛ん! 私も野球部とゴルフ部に所属しています。野球部は4月にある出版健康保険組合の大会がメインになりますが、最近は大会に向けて練習試合なども行っています。一方、ゴルフ部は年に2回、会社のゴルフコンペを開催。双葉社OBやお付き合いのある漫画家先生、印刷所の方も参加されて、毎回楽しく盛り上がっています。他にも、登山部や麻雀部、グルメ情報研究部、ラジオ部、映画部など、多くの社員がさまざまな部活に所属し、業務外での交流を深めています。
――未来の新入社員に一言お願いします
漫画や本を読むのも、ドラマや映画を観るのも仕事のうち。俳優でもアイドルでも、お笑い芸人でも、会いたい人に頑張れば会えます。仕事を楽しみながら、ぜひ一緒に面白くて売れる本をつくれると嬉しいです!

勤務開始、メールのチェック
作家さんから届いたプロットを読み、感想や改善点などをまとめます
雨穴先生の授賞式に向けて、イベント会社などと打ち合わせ
進行中のビジネス書の原稿を読み、赤字を入れます
イラストレーターの方と児童書のキャラクターデザインの相談
麺かカレーが多いです
自宅まで1時間ほどかかるため、電車内ではアプリで漫画を読んだり、楽天マガジンで雑誌を読んだり、ChatGPTを使って企画の壁打ちをしたりしています
帰宅後は録画したバラエティ番組やドラマを見ながら、だらだらとSNSをチェックしてます