社員インタビュー

ライツ事業部

和田梨郁

【経歴】
2009年、双葉社入社。
第一営業部に配属。主に雑誌・ムックの取次営業の業務に携わる。
女性誌の編集部を経て、2015年よりライツ事業部配属。主に「クレヨンしんちゃん」「おるちゅばんエビちゅ」の商品化やプロモーションを担当する。

――ライツ事業部の仕事について教えて下さい

 双葉社が出版するコミックスや書籍の商品化・映像化など、出版物以外にビジネスを広げていくのが主な仕事です。私は「クレヨンしんちゃん」や「おるちゅばんエビちゅ」の版権管理を担当しています。
 具体的には、まずはキャラクターを使った商品やサービスを作りたいという企業様と条件を交渉し、契約を締結。次にデザインや仕様の監修をし、何度か修正指示のやり取りをします。商品のデザインが完成したら、パッケージやポスター等の副資材の監修をし、最終的に商品が世に出て行くまでを管理します。商品そのものだけではなく、売り場の装飾やリリース、CM、広告等も監修の対象になりますので、仕事は多岐にわたります。特に「クレヨンしんちゃん」は毎年映画の興行も行っているので、映画のプロモーションやイベントの監修で地方へ出張することもあります。
 「監修」とは、具体的にはキャラクターの形状・色等がきちんと維持されているか、使われ方がキャラクターイメージを損なっていないかチェックすることです。
作品性とまったく合わないデザインのものや、質の粗悪な商品が世に出てしまってはファンをがっかりさせますし、作品そのもののイメージを損なうことにもなりかねません。単にキャラクターが正しく描写されているか、ということだけではなく、商品やサービス全体のクオリティを、作品と矛盾しないようにコントロールすることが大事なのです。

――ご自身が主体で関わった企画について教えて下さい

 2016年に、東京ソラマチで「クレヨンしんちゃん」のキャラクターカフェを実施しました。それまでの「クレヨンしんちゃん」は、多くの方になじみのある、ほぼアニメの素材そのままのパキッとした色彩のアート展開が多かったのですが、その時はふんわりしたかわいらしいパステルトーンのアートを運営会社さんに作っていただき、カフェの装飾や商品に使用したんです。キャラクターカフェにいらっしゃるのはほとんどが10~20代の女性なので、思い切って若い女性の好きな方向性に振ったのが功を奏し、新たなファン層の開拓につながりました。 実は「クレヨンしんちゃん」グッズはファミリー層だけではなく、いわゆる“原宿系”の女子にも隠れた人気があったのですが、カフェをきっかけにして「クレヨンしんちゃんって、女の子が持っていてもかわいい!」という認知がメインストリームになった気がします。それ以降、アパレルやファッション雑貨といったジャンルでも本格的に商品展開が広がっていきました。

――ライツ事業部の仕事で一番やりがいを感じたことや、大変だったことを教えて下さい

 やっぱり、自分が監修した商品やサービスが世に出て、たくさんの方に手にとってもらえたときに、頑張ってよかったと感じます。ライツ事業部は年々、順調に売上を伸ばしているのですが、それはコンテンツのパワーが出版市場以外でも認められているということなので、純粋にとても嬉しいですね。 おかげさまで「クレヨンしんちゃん」は色々な企業様やキャラクターからコラボしたいというオファーをいただくことも多いのですが、コラボは本当に大変です。特にキャラクターはそれぞれに制限や独自のルールがあるので、互いに条件をすり合わせたり、タッチや世界観がまったく違うもの同士を違和感なく組み合わせるのに試行錯誤したりと、「クレヨンしんちゃん」単体の商品化に比べて手間も時間もかかります。その分、それが形になったときの喜びも大きいですが。

――女性も働きやすい会社ですか?

 私は1年と少し産休・育休を取得し、現在は2歳児を育てながら時短勤務中です。毎日定時より1時間早く帰宅し、時には子供が体調を崩して急遽お休みを頂くこともありますが、ありがたいことに当たり前のこととして受け入れてもらっていて、それで仕事がしづらいと感じたことは一度もありません。もちろん、時には朝早く出社して作業をする、などの調整は必要ですが。社内に他にも育児時短中の先輩方がいるので、相談もしやすい環境かと思います。

――双葉社のイメージを教えてください

 みんな仲が良く、優しいです。一つ前の質問とも関連するのですが、誰かが急に休まなくてはいけなくなったり、病欠したりしても、自然に他のメンバーがフォローする雰囲気があると思います。そういった意味でチームワークもいいのではないでしょうか。

――学生時代の経験で、社会人生活において役に立っていることを教えてください

 就職活動に苦労したことでしょうか・・・出版社しか受けていなかったので本当に狭き門で、なかなか結果に結びつかず、面接の後地元に帰る夜行バスの中で泣く日々でした。 心が折れそうでしたが、とにかく今年は納得できるまでやってみよう!(それでダメなら就職浪人だ!)と開き直り、それまでの面接のダメだった部分、考えが甘かった部分を地道に修正していき、それでなんとか最後に双葉社が門を開いてくれたのでした。 仕事をしていく上で、こりゃもうダメかもな、と感じることは多々ありますが、あきらめずに試行錯誤すれば、意外となんとか上手い形でまとまることもあるものです。月並みですが、もういいや!と簡単には放り出さない粘り強さのようなものは、その時に培われたものかと思います。

――未来の新入社員に一言アドバイスをください!

 小説でも漫画でも雑誌でも何でもよいので、ぜひ作品に愛を持ってください。私達は紙やデジタル、商品や映像と、作品を色々な形にアウトプットしていくのが具体的な仕事ですが、作品を愛し、その価値を守るということが最重要任務だと感じています。双葉社の作品は素晴らしいものばかりなので、始めは1冊2冊でもいいから、ぜひこの作品のために頑張りたい!と思えるものを見つけてください。そうするとどの部署に配属になっても、毎日やりがいを感じて仕事ができると思いますよ。

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