社員インタビュー

文芸第二出版部
(旧・文庫編集部)

植木陽平

【経歴】
2013年入社。第2営業部に配属。主に書店販促を担当し、首都圏の書店に加え、九州・甲信越・北陸・東海など様々な地方担当を経験。
2019年に第1営業部に異動し、コミックスの販売促進を担当。
2020年に文庫編集部に異動。50巻到達の大人気シリーズ『はぐれ長屋の用心棒』(鳥羽亮)や、『わるじい慈剣帖』(風野真知雄)、『浪人奉行』(稲葉稔)などの時代小説シリーズを担当する。

――文庫編集部の仕事について教えてください

 主に書き下ろし文庫(単行本の出版を経ない文庫作品)を編集します。双葉文庫の中でも大きな割合を占める時代小説の殆どは書き下ろしなので、部員の多くは時代小説のシリーズを担当しつつ、新規シリーズの立ち上げや、新たな作家さんの開拓なども同時並行で行っています。

――ご自身の仕事について教えてください

 12月発売の最新刊が記念すべき50巻目となった『はぐれ長屋の用心棒』(鳥羽亮)や、『わるじい慈剣帖』(風野真知雄)、『浪人奉行』(稲葉稔)等の人気シリーズを担当しています。加えて双葉文庫には欠かせないジャンルのひとつである官能作品も手掛けています。並行して他社の作品もできる限り多く読み、これぞという作家さんがいれば原稿を依頼します。
 現在は「双葉社ルーキー大賞」という応募賞も稼働しているので、日々そこに届く原稿にも出来る限り目を通し、光るものをチェックするようにしています。

――仕事をする上で大変なことと、必要とされる能力は?

【必要な能力】
 当然ですが読者は小説を購入する際に「面白さ」を求めているはずなので、まずは作品の良い部分・長所をしっかり見つけることのできる目が第一だと思います。一方で物語の整合性や文章を整える校正者としての能力も勿論必要ですが、こちらは経験を重ねて身に着けていく後天的な技術の部分でもあるので、日常でもできる限り多くの本やコンテンツに触れるように意識しています。

【大変なこと】
 書き下ろしという性質上、原稿が入らないとできる作業もかなり限られてくることです。原稿の入るタイミングによっては非常にタイトなスケジュールでの進行となることがあり、限られた時間のなかで見落としがないようにするためにかなりの集中力と根気が必要になります。特に複数の担当作を抱えた多忙な月は作業がひと段落するとどっと疲れが襲ってきたりします。同月に担当作を4冊抱えた月はどれだけやっても原稿が終わる気がしませんでした…。

――作家さんとの打ち合わせの時、どんなことを意識されてますか?

 文庫編集部に異動となったタイミングが新型コロナウィルスの流行の時期と重なり、健康面を考慮して作家さんと対面での打ち合わせができないケースも非常に多かったので、電話やメールで要件を伝える際に、話す内容を複数回推敲することを強く意識しています。出来る限り分かりやすく簡潔に提案や修正の意図を纏めることで作家さんの負担も減り、作品のクオリティと作家さんとの信頼関係の両方の向上につながると思っています。

――文芸編集部とはどのような関わり合いがありますか?

 前述した通り文庫編集部は書き下ろし文庫がメインの部署ではありますが、作品の内容や、作家さんとの相談のうえ単行本を手掛けることも少なからずあります。また、逆に文芸出版部で書き下ろしメインの作家さんに仕事を依頼する可能性もあります。 なので、すぐ隣に位置する文芸出版部とは雑談なども通じてこまめに情報を交換し、それぞれ人脈のつなぎやアドバイスが必要な際に協力をお願いしたりします。情報交換には原稿依頼がバッティングしてしまわないよう注意する意義もあります。

――学生時代の経験で、社会人生活において役立ったことはありますか?

 4年間、とにかくアルバイトに没頭し、様々なタイプの大人と関わってきたことが、会う相手の人柄をみることなどに役立っているかもしれません。

――未来の新入社員に一言

 スマホゲームやサブスク、YouTubeに各種SNS…本と競合する娯楽やプラットフォームはひと昔前からは想像もつかないくらいに多様になり、たぶんこれからも多くの新しい形のエンタメが生まれると思います。そんな中で本というコンテンツの魅力を伝えていくため、時には奇抜でもいいのでどんどんとアイデアを出してくれればと思います。幸い双葉社はその辺柔軟な会社だと思うので。

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