イギリスで130万部、全世界で300万部を突破したベストセラー、待望の邦訳。
第二次世界大戦下のアウシュヴィッツで、生き延びるため同胞に鑑識番号を刺青し名前を奪う役目を引き受けたユダヤ人の男が、ある日、その列に並んでいた女性に恋をした――
「必ず生きて、この地獄を出よう」と心を決め、あまりに残酷な状況下で自らもあらゆる非人間性に直面しながら、その中でささやかな人間らしさと尊厳を守り抜くために重ねた苦闘と愛と信念の物語。
実在の「タトゥー係」本人がこの世を去る間際に残した証言を小説化した本作は瞬く間に全世界的なヒットとなり、2019年8月現在、51の国・地域で刊行。 2020年には映像化も決定している。

「人生を肯定してくれる小説。この作品のことを思うたびに涙が出て仕方がない」-『アマゾン・ブック・レビュー』

「人間は巨大な悪だけではなく、偉大な愛を生むこともできるということを語るに足る物語」 -『 ワシントン・インディペンデント・レビュー・オブ・ブックス』

「アウシュヴィッツのタトゥー係が強制収容所で愛をみつけるおどろくべき物語……胸を打つ」 -『 インディペンデント』紙

「引きつけられる」 -『 ガーディアン』紙「強制収容所の囚人が日常的に経験していた恐怖を力強くよみがえらせている」 -『パブリッシャーズ・ウィークリー』誌

「悲惨だが忘れることができない物語。美しさと醜さ、生と死、人間性と非人間性……。比類なき愛の比類なき物語」 -『 ランカシャー・イヴニング・ポスト』紙

「この物語は命が脅かされた状況で愛が持つ力を教えてくれ、どんなに絶望的な時代にも、いいことが起こる可能性があると思い出させてくれる」 -KILLYOURDARLING.COM.AU(オンライン・マガジン)

「感動的で、最後には胸のすく物語。恐ろしい戦争のただ中にあった愛と忠誠心、そして友情……。これは傑作」 -ジル・マンセル(作家)

 ヘザー・モリス(Heather Morris)はニュージーランドに生まれ、現在はオーストラリアに在住。数年間、メルボルンにある公立の大病院で働きながら脚本の書き方を学び、作品のひとつがアメリカのアカデミー賞脚本家の目にとまり、映画化の契約を結ぶ。二〇〇三年、ヘザーはひとりの年配の紳士にひきあわされ、「耳を傾けるべき物語の持ち主」と紹介される。ヘザーとラリ・ソコロフが出会った日は、ふたりの人生を変えた。ふたりは友情を育み、ラリは自らをふり返る旅に出発し、ホロコースト時代の生活を最も深い部分まで語り、ヘザーにたくした。当初、ヘザーはラリの物語を脚本として執筆し――国際的なコンテストで上位に入賞――さらに小説の形にした。これが彼女のはじめての小説『The Tattooist of Auschwitz』である。