17歳の少女が自ら警察に保護を求めてきた。その背景を探る刑事に鑑識から報告が入る。少女が生活していたマンションの浴室から、大量の血痕が見つかったのだった。やがて、同じ部屋で暮らしていた女も警察に保護され、2人は事情聴取に応じるが、その内容は全く食い違っていた―。

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綺麗なものにだけ目を向けて生きていくことはできない。
現実はそこまで甘くない。
ならば、その実在する恐怖に、おぞましい現実に目を向けるしかない。
ある種の覚悟を、強いる作品だと思う。書く者にも、読む者にも。

1969年東京都生まれ。学習院大学卒。
2002年『妖の華』でムー伝奇ノベル大賞優秀賞、03年『アクセス』でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。
『ストロベリーナイト』『ジウ』などの警察小説、『武士道シックスティーン』などの青春小説で多くの読者を獲得する。
著書に『ヒトリシズカ』『増山超能力師事務所』『Qrosの女』など。

北九州や尼崎の監禁事件を彷彿とさせる作品。監禁された側の行動に関して、まさかとは思いながら、自分も同じ立場になったらそうしてしまうのではないかと思うほど、人間の弱さや内面の恐怖が非常にリアルに描かれている。「普通」と「異常」の境目は本当に紙一重だなと感じた。
(30代 男性)

読んでいて目を背けたくなるような描写の数々。ミステリだとわかっていて、謎を見抜こうとしましたが、描写に心を奪われて思考停止。だから、完全に騙され最後に驚かされました。傑作です。
(40代 男性)

あまりに残酷すぎて報道されなかった事件は、小説という形でしか世に説明する術はないのでしょうね。これぞ小説の仕事!
(30代 女性)

読み始めると、周りの物音が聞こえなくなるくらい物語の世界にグイグイ引き込まれます。著者の筆力が。この常軌を逸した世界をより浮き立たせ、読み手を搦め捕って離しません。しかし、本作の賛否は議論されてしかるべし。
(20代 男性)

『ケモノの城』は、警察小説の醍醐味である「組織の中で生きる者の誇りや葛藤」にとどまらず、心理戦と表現するにはあまりにも深い「取調べ」という警察小説の新しい魅力を教えてくれた。 
(50代 男性)

怖いのに、読む手が止まらなかったです。家事も何もやる気が起きず夕方まで向き合い続け、夕飯はレトルトカレーになってしまったくらいのめりこみました。ものすごい力のある作品です。 
(20代 女性)

 
双 葉 社