恋人が姿を消した。あんなに愛し合い、結婚まで考えていたのに——。
　天涯孤独の身の三沢亮二にとって、恋人の内田遥香はただひとり心を癒やしてくれる存在だった。失踪した遥香を追って、わずかな手がかりを頼りに長野から東京に出てきた亮二だが、ようやく居場所を捜しあてた新宿のバーで、用心棒と思われる屈強な男たちに袋叩きにされてしまう。遙香を連れだした男は須藤剛造。バーや闇カジノなどを複数経営している須藤は、裏社会を牛耳る男らしい。
　須藤に復讐したいなら、わたしの犬になりなさい——。全財産を奪われ、気を失った亮二を助けたのは、佐伯彩子という謎の女だった。彩子は亮二を須藤から五百万円で買ったのだという。彩子の濃厚なフェラチオに籠絡され、彼女の手駒になった亮二。遥香を取り戻すため、欲望渦巻く闇の世界に飛びこんだ彼を待っているものは？　そして、亮二の身体に大枚をはたいた彩子の真の目的とは？
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