高級ランジェリーブティック『ソワレ・ドゥ・ソワ』のショーウインドウで、毎晩午後七時から二時間だけ「陳列」される「生きた」マネキン人形。この「リビングマネキン」の評判は高く、その上品さが話題になっている。
　ある日、平凡なOL笹沼ひろみは、この「リビングマネキン」のモデルに応募した。ひろみは平凡なOLだが、自分のなかある「恥ずかしい姿を見られたい」という露出願望を刺激されたのだ。
　面接に臨んだひろみに対して、オーナーマダム矢野笙子が出してきた二つの採用条件。それは、笙子が支給するガーターベルトを一日じゅう身に着けること。もう一つは、ショーウインドウに「陳列」される前にオナニーをするというものだった。そうすることによって肉体から特殊なオーラが発散され、見るものを刺激するのだという
　半信半疑ながらオナニーをすませ、下着姿でショーウインドウに入ったひろみ。だが、そんな彼女を待っていたのは、未知の官能世界だった——。
　一風変わったランジェリーショップを舞台に渦巻く、さまざまなエロスの形。f3官能文庫初登場。斯界の第一人者が満を持して贈る新連載を心ゆくまでお愉しみください。
（毎週木曜日更新）